Nu blog

いつも考えていること

スケッチ(欲望の形)

中央線に乗りながら松任谷由実の中央フリーウェイを聴いていた。出だしに流れるびゃ〜〜んという謎の音。車だからか、電車よりも少しゆっくりとしたテンポで曲が進む。ネオンサインやトロピカルツリーなど、わたせせいぞう的おしゃれさが思い浮かぶ。私にも、私の生まれ育った時代、経済状況のどこにもそんなはしゃいだ時期は一度もなかった。私はもちろん、私の周りの同年代は誰も車すら持っていなかった。みんな電車でお出かけした。あるいは親の車で、後部座席に乗って眠っていた。不思議なことだ。たった数十年で、欲望のあり方が変わる。愛してるなんて、気障ったらしく囁いてほしくもない。一緒にいて楽しい人とだけいたい。夢を見させてくれない、当たり前の人がいい。熱くなることもなければ、冷たくなることもない人。競馬もビールもやらない人。