2020-01-01から1年間の記事一覧
目的もなく大学に進学してしまったぼくは、周囲が就職活動を始めて、しかも売り手市場だからとポンポン内定をもらっているのを横目で見ていると、さすがに焦りが出はじめたので、就活サイトに登録したり、大学の就職課がやっている面接対策セミナーを受けた…
音楽番組でBTSを見て感動した。いまさら『Dynamite』を知りまして。 「今夜 僕は星の中にいるから、僕の火花でこの夜を明るく照らすのを見守って」 「僕はダイヤモンド 僕の輝きは既知のこと」 「ファンクとソウルでこの都市を灯す 煌めかせるよ ダイナマイ…
ぼけーっとしてるからか、よく道を聞かれる。外国人に道を聞かれると説明が難しいから、結局「let's come together」というビートルズみたいなことを言って先頭に立って案内することになる。都営三田線大手町から八重洲口の大丸まで歩いたときは、その間の持…
デヴィッド・グレーバー『官僚制のユートピア』を読んだ。 今話題の『ブルシット・ジョブ』の前作に当たるもので、『ブルシット・ジョブ』は図書館で70人待ちのため粛々と待機しているところである(買えよと言われましても…)。 右翼が官僚制のプログラムを…
日曜の夜、ぼくは祖父母の家の畳の部屋のヒーターの前で、猫のミッちゃんと一緒に並んで座っていた。いつのまにか冬になっていた。気づかぬうちに厚着するようになっていた。なぜかぼくは夏、水泳の授業が嫌だったことを思い出したりしていた。 そして母親が…
初めての人混みは多分小学生の時の三宮だった。きっと今でもある角の鞄屋さんのところで、母親か祖母に「はぐれたら、あんたんこと見つけられへんからな」と脅されて、かーっと胸が熱くなるように怖くなったことを覚えてる(こないだ海原やすよ・ともこが「関…
同級生が市議会議員になったと聞いた。 政党には所属せず、若さ(34歳)と真面目さを地道にアピールして2000票を獲得。有権者数40万人、投票率40%、定数40の地方選挙の結果はそんなもんである。 そこまで小さな市ではないから、2000票集めるのも大変だろう。市…
過去記事を振り返ると昔を振り返る中でPerfumeに触れることが度々ある。 高校生の頃、伝説の公共広告機構のCMをきっかけになんか変な音楽がある!と気付いてから、大学の四年間はPerfumeと相対性理論とザゼンボーイズとニューオーダー一色(ぜんぜん一色じゃ…
地下鉄から降りてきたおばあさんから、書道の先生と同じにおいがした。書道の先生とは、もう二十年前、自分が小学生だった時に通っていたお習字教室のおばあちゃん先生のことだ。清水先生だった気がするが、私は小学生の時の記憶が極端に曖昧なので定かでは…
『とんかつDJアゲ太郎』を公開初日に観た。 そもそも2017年11月に発刊された最終巻で実写映画化が発表され、その後なんの音沙汰もなく、丸2年が経過。定期的に「アゲ太郎どうなったんだろうね」なんて会話を夫婦でしていたところ、2020年1月末に突然公開の報…
抗がん剤治療や、結果として必要となった手術による入院など、私が乳がんになってから、次男が料理をするようになった。 ついこのあいだまで、甘えん坊だった小さなあの子が包丁を持っていると思うだけで、私は心配になってしまう。けれど、抗がん剤を受けた…
無政府状態よりは国家があった方がいい。 国家が拡大することは避けた方がいい。 みんなにとってのユートピアは最小国家が共通項である。 シンプルに言えばそういう本であるが、中身は諸権利にかんする割と細かい考察などを含むので素人な私の読みでは理解し…
妙に感傷的なナレーションのニュース番組が、乳児遺棄の事件を報道しているのを、サウナ室で汗をダラダラ流しながら見ていた。画面には「就活中の女子学生」「空港で出産後殺害?」「乳児を公園に埋める」といった扇情的なテロップが、赤や黄などの警戒色で…
「性差(ジェンダー)の日本史」展を観に、佐倉の歴史民俗博物館へ行った。 「1968年」展以来だから、3年ぶりである。相変わらず佐倉駅前は閑散としており、道中は牧歌的だった。歴博の佇まいにも変わりなく、3年ぶりではなく、数週間ぶりに訪れたような気分…
先生の話を聞くと、いつも「ああ、この人はこの場所が好きだと言いながら、東京で過ごしていた時のことを懐かしく、愛おしく思っているんだ」と明らかに思ってしまうのだった。 私も、私の両親も、東京から特急で二時間弱のこの町のことから離れて暮らしたこ…
岡野大嗣の『たやすみなさい』を読んだ。 写メでしか見てないけれどきみの犬はきみを残して死なないでほしい ぼくの聴く音楽こそが素晴らしいと思いながら歩く夜が好きだよ 渡っちゃえ、って渡った信号を渡りきるまできみと笑った たのしみにしてたライブの…
コンビニから出るとどこかから音が鳴っているのが聞こえた。その音は車の扉を強く閉めた時のよう思えたが、人を殴る音あるいは口径の太い銃がぶっ放される音のようでもあった。そんな物騒なことがこの町であるはずないと自分は薄々勘づいていたが、銃は別に…
心のどこかで本なんか読まずに済むなら読みたくない、と思ってる。それでもバカスカ本を借りて読むのは読まないと何も思いつかないからである。 秋だし読書週間だからpenもGINZAも散歩の達人も読書特集をやっている。minaまで読書事情調査とかやってる。週刊…
大学時代の友人に子供が産まれた。こんなご時世だから顔を見にお宅へお邪魔するのも憚られる。ウェブ会議システムを使っての飲み会も、一度やったら飽きてしまった。 どうせゼロ歳児を見たって可愛いなくらいしか言いようがないんだから、三、四年経ったら見…
自分のことかと思った。 anond.hatelabo.jp 実際やってみると改名にかかる手続きは大して多くない。ま、ぼくは資産を持ってないので、サイボーズの社長さんみたいに名義変更にウン十万かかったりしないからだけど。 住民票→免許証のコンボさえ決めれば、あと…
彼女に会う前に四冊も単行本を買ってしまったので、待ち合わせの駅で会ってすぐ、ぼくはコインロッカーに荷物を入れようとした。 ぼくは手ぶらで歩くのが大好きだから、美術館でもショッピングでも散策でも、一時間以上歩くならコインロッカーに荷物を入れた…
久々にDaft Punkの『Discovery』を聴いた。きっかけはザ・ギースの高佐さんがYouTubeでハープでOne more timeを演奏する動画を見たから。このハープ動画、特にキン肉マンのゴー!ゴー!マッソー!とかがおすすめです。最初そんな歌やっけ?ってなるのが楽し…
ファックスが届いた。私は明かりを消した部屋の中、光るディスプレイを見た。ファックスが届くなんて、何十年ぶりのことのような気がした。 二枚印字されて出てきた。後から出てきた一枚には「大型犬の日のご案内」とタイトルがあり、私の知らない団体が、私…
半沢直樹の最終回を観た。前々から終盤15分くらいは観てたりしたので、話の流れはわかっていた。要は「スカッとジャパン」でしょ? 最終回もそのまんまスカッとジャパンで*1、悪い奴がみんなの前でその悪事をバラされて土下座して逃げる→あー、スッキリした…
ピンポンを鳴らす。 一瞬の静寂があって、にわかに扉の向こうからガサゴソ音がし始める。「ちょっと待ってくださーい」とか「はいはいはい」とか「はーい」とか、そういう声が飛んでくる。それからがしっ、がちゃんと音がして扉が開く。 俺は努めて笑顔で「…
長島有里枝『「僕ら」の「女の子写真」から わたしたちのガーリーフォトへ』と綿野恵太『「差別はいけない」とみんないうけれど。』の二冊を読んだ。 どちらもすごい本だと思った。 長島さんの本は、東京芸大美術館のトークイベントで上野千鶴子が、ゲンロン…
居酒屋なりに小綺麗にされた洗面所で手を洗いながら、酔ってしまったと考えていた。黒目が微細してるのか、視界が常にふらついて、脳みそが麻痺してるのもはっきり感じられた。でも、そんなふうに考えられるくらいには意識がある。この感覚を覚えていそうな…
『三島由紀夫vs全共闘 50年目の真実』を見た。 言葉の生きている世界にひさびさに迷い込んだ、と思えた。三島由紀夫も学生も、現実を表す道具として言葉を絞り出す。たとえば「机」という言葉を一つ発するためにも、実際の机を雑巾のようにぎゅっと絞って、…
五月一日、ワイシャツの襟がだらしなく垂れる。他のワイシャツに着替え直してみたが同じだった。おかしい、とミヤモトは思う。去年もクールビズが始まった当初、同じ違和感からセミワイドのシャツを着るようになって、それでどうにかなっていたはずなのに。…
浪漫革命の「恋は1/2」を聴いた。 リコメンドに出てきたので何気なく聴いてみたら、中華風のメロディにYogee new waves味のある甘めなハスキーボーカルが乗っていて上質。MVもらんま1/2をオマージュし、楽しげなチープ感がハマっている。 というように、ぼー…