オピー展
簡潔明瞭な線で描かれる現代人の歩み、すれ違い。またはカラスやビル、そして風景。
アルミニウムや石、LEDによる映像などマチエールの変化がおもしろい。
世界の見え方が変わる芸術の好例ではないか。
年間ベストに確実に入るだろう素晴らしい展覧会。
絵本の原画だけでなく、初期の絵画作品や広告ポスターなど、レオ・レオニの仕事が一望できる。
どうも夏休みの子供を意識しているからか、まとまりに欠けた印象を受けた。
平行植物はおもしろかったが、みなさん気持ち悪がっていたのが、印象的。
東郷青児記念館、二〇二〇年に建て替えるとのこと。展示室に入る前に新宿を眺めることができなくなるのかと思うと、少し寂しい。
美術館そのものである朝香宮邸を愛でる展覧会。大勢の人が関わり、この豪邸はできあがっている。
家の近所にあるので、まるで「ちょっと別荘へ、おほほほ」みたいな気分で行くのだけれど、帰り道ちょっとだけ虚しくなるのです。
企画展の中止についてはすでに触れてきたので端折る。むなしきことこの上ない。また、抗議の意味を含めいくつかの作品が作家の意向で展示を中止されていた。
さて、残された他の作品は心地よいものばかりだったか。
否。
遊園地が爆発される映像。
壺から鳥が飛び立ち、皿が鳥の影のようにくり抜かれた陶芸。
性差別を訴えるピンクのカード。
Tears For Fearsの「Shout」を英語を知らない人が聞き取ったままに書き写す映像。
六十分間、じっとビジネススマイルを浮かべ続ける様子を撮った映像。
悲しげなピエロ。
遺言を打ち出すデジタルな筆跡。
道端に捨てられたタバコやガムからDNAを採取して、そのDNAの持ち主の人相を作り出した作品。
涙の出る部屋。
難民たちの語りを演じる俳優の映像。
そして、さわやかな青年のふりをするロミオたち。
一貫して、不穏な作品が並び、心地よいものなど一つもない。国際芸術祭らしい芸術祭だと思った。
わざわざ言う必要はないかもしれないが、上の作品は殆ど外国人の作品で、日本の作家の作品ではあまりおもしろいものがなかった。何を問題としているか、掴みにくいものが多かった。
アート・プレイグラウンドという対話や創造、遊びを行う場が設けられており、良い試みだと感じた。ここがきっと対話の場となるはずだったのだろう…。
天才のなした理解を越えるための、理性的な異常地帯。
「死ぬまでに一度は行きたい」などという惹句を超えて余りある作品。
暑くてヘロヘロになりました。
MOA美術館
なんなんでしょうね、この美術館。不可思議な美術館でした。
井上涼展を堪能。忍者BとCは相変わらず元気でした。ひたすら楽しい。