Abematvを初めて見た。
アプリをインストールして開いた瞬間、動画と音声がわっと流れるのに感動した。たいていのアプリって、開いたらまず登録だななんだの手続きがある。それに比してAbematvのスピード感。テレビみたいなもんですよ、つけたら見れるんです、と一撃で示してくる。すごい。
なぜAbematvを見ようと思ったかというと、理由はこの番組。
今時の高校生の恋愛…、見たい!と思ったのである。
なぜ今時の高校生の恋愛が見たいのか、と深く問われても困るのだが、この発想には前科がある。
現在30歳前後の皆様におかれましてはまったく馴染みがないであろうテレビ東京系の子供番組「ピラメキーノ」というのが2009年から放送されていて、大学生のぼくは、親に「とうとう気が狂った」と思われるのも構わず、この子供番組を毎日観ていた。
「子供向け」の皮を被ってしまえば何でも許される、と言わんばかりのアウトな企画ばかりの番組だったのだが、その中でも群を抜いて頭おかしかったものとして「子役恋物語」がある。
子役、小学6年生に合コンをさせるなんて思いつかない。悪趣味すぎる。早く誰か放送倫理機構か何かに連絡すべきだ、と思っていた。ちゃんと子供に見せたくない番組に選ばれていて安心である。2015年に放送終了となったようだが、ダルさんとかしんれい君とか、ピラメキ体操、Onaraはずかしくないよ、懐かしい…。同世代の共感は得られないだろうけど。
で。
自分が20歳の時に10歳くらいの子の恋愛を見ていたわけだ。それが28歳となった今、18歳の子たちの恋愛が気になるというのだから、つまり、そのまま8歳スライドしているだけである。気持ち悪っ…。
ぼくの趣味嗜好、性癖は置いておいて。
特にこの番組が面白かった、というようなことはなかった。途中で見るのがめんどくさくなって、「地獄でなぜ悪い」を観てたくらいだ。
でも、こういうのを観ちゃうとどうしても我が身の青春を振り返ってしまう。異性と触れ合うことだけが青春/人生ではないのだと今ならちゃんと思えるけれど、大学生の時あたりは、忸怩たる思いを抱えたりしていた。虚しいことである。
異性との時間がなかったことに対して屈託した思いを抱えることのバカらしさを、誰かに教えてほしかったな、と他人任せに思う。人のせいにしてしまえば、小説もテレビも音楽も、大半は恋愛至上主義なので、多かれ少なかれ影響されてしまった、のだ。
しかし、恋物語にせよ、リアリティーショーにせよ、合コンにせよ、恋愛することを共通の目的として集められることが、まるで普通のことのように取り扱われる。そんな特異な、奇妙なことはないはずなのに。
恋愛しなくても大丈夫ですよ、なんの問題もないですよ、いつかふいに恋に落ちたら素敵だし、恋に落ちることがなくとも大切な人、家族や友だちがいればそれが重要なんですよ、あるいは近所の人やアルバイトで接するお客さんとか、そんな何気無い関わり合いを大切にできたら、それでいいんですよ、それがいいんですよ、性別に関わらず人を大事にしようとしてみましょう。
ってテレビとかで言ってほしい。言ってたとしても、その頃の自分に届いていたかどうかわからないけど。
とりあえず、今の若人に向けて、言っておこう!誰かが読んで、安心したら嬉しいけど。
大丈夫ですよー。