藤井風「HELP EVER HURT NEVER」
「何なんw」は強烈だ。そのセンスフルなリズムとエロティックな歌声ががつんとくる。「宇多田ヒカル以来の衝撃」なる評もむべなるかな。
つづく「もうええわ」や「調子のっちゃって」「特にない」など、異世界から来たような新しさを持ちつつ、どこか懐かしい00年代J-POPの香りがそこはかとない。
聴いたような音でありながら、圧倒的に新しく、かつ歌声の幅広さにやり込められる。
そして最大に重要なことは、とても売れそうな音だということ。マニアックな感じがしない。商品として買いたくなる感じがある。
これからの活躍に期待。
KID FRESINOとカネコアヤノ「Cats & Dogs」
最高の組み合わせによる、夏のアンセムが突如リリースされた。
この二人の組み合わせ、どこまでよくなるのかと思ったら青天井で良い。
「今日は絶対に頑張らない、パジャマのままでいさせてよ」
「君のこと嫌いにならないようにがんばってる、こちらは」
と歌うカネコアヤノの伸びやかでけだるげで、どこにでもいけそうな感じ。
KID FRESINOの肩肘張ってない自然体なラップも素晴らしくマッチ。
まだ聴いてないなら早く聴け!
そして毎週、柴田聡子の配信を欠かさず見ている。
新曲「変な島」が素晴らしい。「変なとこに島」があることや「森の陰に枇杷」があることや「袖の中にヒヨコ」がいたことを誰かが「見つけてくれた」という歌。
この解説では何も伝わらないでしょうが、歌を聴いていると「そんな感動的なことがあるのか!?」という気持ちになる。不思議でならない。
「どうして」も素晴らしくて一本の映画を見たような濃密さ。「人の中でもかなりいい方に入ったような」気分になったり、「どうして一人にしてくれたの、私は泥棒かもしれないのに」と孤独を訴えたり。豊かな感情の揺れに涙こぼれそう。情緒がゆさぶられます、ほんと。