Nu blog

いつも考えていること

Homecomings『Moving Days』

Homecomingsの新譜『Moving Days』がとても好きだ。

いいバンドらしいとはうっすら知っていたけれど、これまで何曲か聞いてみてピンと来ていなかった。単に私のリスナーとしての力量不足である。そんな力量不足の私にもわかるようにしてくれたのか、それとも私の力量が上がったのか。いずれにせよ、突然ガチッとハマった感じで、何回も聴いている。

力量不足なリスナーに合わせてくれたにせよ、そうでないにせよ、とにかく一曲一曲腰が定まっていて、安心して寄っかかってられる感覚があるから心地よい。もちろん、これまでずっとホムカミファンな人からすれば、今までだってそうだったわい!かもしれないが、そこは新参者の感想としてご容赦願う。

いつか聴いたようで全く新しいメロディ。ストリングスやホーンなど多彩に重ねられる音も素敵。「Pedal」の軽快なリズムは思わず体動き出す(自転車が題材の名曲ってのがないか気になってきた。ネバヤンの「自転車に乗って」(カバーです)とか、カネコアヤノの「恋しい日々」(「グレープフルーツはMVで自転車に乗っているだけか)とか、他にもあると思う)。「Good  Word For The Weekend」の多彩な音色も素敵、「Summer  Reading」のベルセバかな、何かで聞いたような細かなフレーズも楽しい。

そして、伸びやかに歌われる日本語。印象的なものは、映画『愛がなんだ』の主題「Cakes」の「こうならないように歩いてきたのだ」とか「Moving  Days  Pt.2」の「やさしいだけでうれしかったよ」とかドラマ『ソロ活女子のすすめ』(見ているけれど大して面白くないけど、なんだかんだ見ている)のエンディング曲「Herge」における「それから二人はさよならの演技」「ああ、柔らかに変わる光に似ているような、ありふれたメロディから始めてみよう、ほら」など。 

あるインタビューを読むと「BTS星野源みたいな存在になりたい」などの発言が見られて、期待が高まる。

そもそも「売れない方がかっこいい」という謎の価値観も、消え去った今である。そういう中途半端な「芸術家像」を持ちがちだが、むしろそんな中途半端な枠組みに縛られることなく、より良質な環境を求めて、「売れる」ことを怖がらない方が正しい現代である(正しいという表現がいいのかわからないけど)。ぜひ、売れてほしい。もう売れてる? 

そうだそうだ。Eテレ「シャキーン」に提供した曲が好きなので、あれのセルフリメイクを待望。