2020-06-17 詩(夕暮れ) その夕暮れを眺めていた 少しの段差に蹴躓いた日 この先同じことが続くと知った日 私が水を湛えた薄い皮膚だと悟った日 地を赤く染め、長く伸びた影が折れ曲がる 水面に散乱する光、名残惜しそうに別れを告げる子どもら もう散ってしまった花弁、すり減った靴底 その夕暮れを眺めていた 腹が減り、風呂に入り、飯を食い、布団で眠る あとになにも残さないで ここを去る