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いつも考えていること

『ミックス。』

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ミックス。』を観た。

監督の作品である『リーガル・ハイ』や『デート〜恋とはどんなものかしら〜』を観てない。キャスティング的に面白そうだけど、連ドラの辛いのは今さら取り返せないところ…。借りて見るのはしんどいし。取り急ぎ先日地上波で放送されていた、監督と脚本家が同じ『エイプリールフールズ』はかろうじて観ました。

『エイプリールフールズ』、題字がトリスハイボールっぽいことが一番な感想で。「嘘(フィクション)が現実に立ち向かう手段となる」というメタ的、自己言及的なメッセージは、園子温及び星野源の『地獄でなぜ悪い』を想起させる。つまり「嘘でなにが悪いか 目の前を染めて広がる/ただ地獄を進む者が 悲しい記憶に勝つ」ということだが、園子温の『地獄でなぜ悪い』のように頭に刀が刺さっても動く人間はいない。専門家がいない中無事に赤ん坊が生まれる程度の「あり得ないこと(嘘、フィクション)」では、ぼくにはあまり突き刺さらなかった。群像劇による三谷幸喜的な笑いを目指しているのだろうなとも感じたんですが、どうもしっくりこない。というような感想は、一観客でしかないぼくとこの作品の相性のことなので気にせず皆さんは観てください。戸田恵梨香新垣結衣を使うことができる監督、ちゃんと数字を出せる仕事人なのだろう。

 

さて、『ミックス。』はどうでしたかと言われたら、役者らの魅力を存分に引き出しているという印象はあるものの、物語自体は「『ピンポン』で口直ししたいな」みたいな感じだったので、物語については触れないことにします。

たとえば蒼井優。登場シーンが最高な演出。あれ、誰の背中だろうと思って振り向いたらカタコトの蒼井優が乱雑に麻婆豆腐を置く。楽しい。卓球の時の吠える顔も抜群。「休む時は死ぬ時よー!」は名言。らんまのシャンプーや銀魂の神楽など「カタコト・チャイナドレス・両お団子」をかわいいと思ってしまう文化はなんなんだろうか。キョンシーのテンテンが発祥? ほんまかいな。

新垣結衣もかわいさが有り余ってる。予告編の「シャシャシャシャシャー!」が至高なのだが、本編でも同じ短さで辛い。もっとああいうのをずっとやっててほしい。

そういや浮気現場を見つけてケーキを下に投げつけるシーン、予告編でも観られますが、にゃんこスターっぽいですね。いや、そんなことないか。

広末涼子真木よう子中村アン田中美佐子永野芽郁らみなさんイキイキ運動してます。スポーツものって動きがあって楽しいですね。

トレンディエンジェルの斎藤さんもとても良かった。「変なことするんじゃねーぞ」と囃し立てたり「おかずにしてた、ごめん」とかくだらない写真をわざわざ渡したり。どうして粗野で下品な役柄がこんなに似合うのか。彼のおかげで、あの水を掛け合うシーンが美しく照らされた。斎藤さん自身の元々のキャラクターに知性、品性があるからこそ、漫才でのハゲキャラやこういう粗野な役が光るのだろう。

瀬戸康史は黙って家に帰り、黙って押し倒すという、『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』の妻夫木と水原希子なら考えられない行為で驚かせてくれました。にしても、なんなんだと文句を言いたいくらいかわいいお顔である。スポーツウェア似合いすぎ。さすが元テニスの王子様

森崎さんと小日向さんと遠藤憲一が渋く脇を固めてました。

あ、最後に瑛太。MEN'S EXとかでよく見るモデルの渋いおじさんにビール注がれてたので、その後酒乱になって殴るのかなあと思ったら殴らなかったので偉いと思いました。あそこで殴って暴れてどーしよーもなくなってたら、それはそれであと40分くらいいける。にしても、主人公なのにさりげない存在感で画面に映るのは、さすが瑛太。いい具合の分量の存在感を出してました。

あー、瑛太について書いて思ったけど、触れないと言った物語に触れてしまうのですが、書いちゃいますと、キスをする必要はあるのか!の一言に尽きる。「待たせたな、マイ・パートナー」だけでええやん!

同じようなことを大根仁の『SCOOP!』 の感想でも書いたが、男女ペアの友情を脆く否定しないでほしい。恋愛の土俵に持ってこなくてまったく構わないのです。というか、持ってくるな!

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