長方形の机
整然と並んでいるようで
ガタガタ
晴れた日のことしか記憶にない
土埃の中を走って
砂利を食むのも厭わしくなかった
側面の薄汚れたスニーカーが
何十個も並ぶ場所で
測られることに慣れて
革靴の先が
朝日を受けて光る今日も
全人格を測定されているが
慣れてしまった私は
それを心地よく思っている
私は測られています
だからあなたのことも測ります
そう当然のことのように思える
人になりました
先生
百年後の私の市場価値は
今の何倍で
その頃
卵の値段はいくらくらいだろうか
都市
切り揃えた
右手の爪を
眺めて夕暮れ
私は
裸の私を
祝福してくれ
弛んだ肉を
つまみあげて
喜んでくれ
私といることを喜んでくれる
妻の目を見て
微笑んでくれ