2022-06-01 詩「夏」 十年前に死んだ犬に鼻の頭を舐められた べろのざらつきとよだれのあたたかさ 夢だねえと母に言った 母もまた十年前に亡くなっているから みんな久々に会えたねえと僕は言った 先週は雨続きだった 明日からは夏 と天気予報 去年着てたTシャツを 今年も着よう 遮光カーテンを捨てて 明日からは夏 陸亀の散歩 日焼け止めクリーム 絞り出してバイバイ さっそく 汗が一筋 いつか今日が 十年前になることを知っている