2022-05-18 詩「記憶」 ソファに横たわり 眠った夕暮れ 母のかけてくれた毛布のぬくさ 青みがかった夜の終わり 霞がかったおぼろげな記憶 生きているようで 死んでいるような 不確かさと不確かさの間 かろうじて勤務し かろうじて米を食べ かろうじて劇に興じる あなたの声が聞こえる 本を開けるときのように たくさんの期待に満ちて生きる 本を閉じるときのように たくさんの弔いとともに死ぬ わたしの声はついえてゆく