Nu blog

いつも考えていること

短文

お父さんがこの前、聞いてた音楽。

風邪が治った日の、朝。

水を飲んで、お風呂に入る。

まだ十五年しか生きてない私にも、よく分かる、あの感覚。

「お父さん、あの風邪の歌、良いよね」

お父さんは、あれは私の生まれる前、新型コロナウイルスというものが世界中を覆った時の歌なのだ、と、言った。

少し体調が悪いと、それに罹ったんじゃないかと、憂い、慌てるような、そんな日々のこと。

「そろそろ、新しいウイルスが、現れるよ、きっと」

お父さんはマスクの箱を潰しながら言う。