アニメ『映像研には手を出すな!』を楽しみにしていた毎週だった。
健やかな音楽とともに紡ぎ出されるイマジネーション。溢れるこだわりを実現するためのエネルギー。創作そのものを題材とした時扱われがちな技術論や天才話ではなく、情熱と戦略をメインとしたところにこの物語のオリジナリティがある。
情熱、つまり誰に止められようと、何を言われようと、寝食を惜しんで取り組むこと。戦略、つまりどんな手段を使っても、何かを犠牲にしてでも、目的を達成すること。
浅草氏、水崎氏、金森氏がそれぞれにそれぞれの役割を果たし一つのアニメを作る。今回はどうしよう、ああしようと悩み、揺るがぬ締切に向かって邁進する。
特に戦略部分を担う金森氏の存在が新鮮だった。
大抵のドラマではその部分も製作者にさせるから「こいつら一体いつ作ってんねん」的なツッコミをしたくなるが、本作においては金森氏というプロデューサーの存在が浅草氏、水崎氏の創作活動を担保する。
金森氏に憧れ、プロデューサーを目指す人が増えるだろうなと思った。プロデューサーはアニメ業界にだけいるものではない。そもそもいわゆる普通のサラリーマンの多くはプロデューサーみたいなものだ。会社の製品・サービスの提供にあたって、内外と折衝するのが主な仕事だからだ。
chelmicoによる主題歌もハマっていた。
アニメがあまりにもよかったので、ドラマと映画にはあまり期待していないが果たして。