Nu blog

いつも考えていること

栃乃若

どうやら二〇一一年七月十五日に、栃乃若が良い相撲を取ったようで、iPhoneのメモ帳に

北の富士さん「直すべきところもたくさんあるけど、栃煌山栃ノ心もうかうかできませんよ」

と書いてあった。
で、その相撲を見てみたら、北太樹相手に、立ち合いは少し負けるも右を差して左上手をつかんで、しっかり背中を丸めながら寄り切った、という内容であった。
その場所、栃乃若は前頭十一枚目、初日高安との熱戦を制すと(見返して思い出したが、この取組は興奮したし、内容も十分であった)、怒涛の四連勝。北太樹を破った六日目時点で五勝一敗の好成績だったんである。
同郷の私が、思わず北の富士さんのお褒めの言葉をメモしてしまう気持ちもわかっていただけるであろう。
二桁勝利などを期待したその場所であるが、結局その後失速して八勝七敗、勝ち越しも十四日目であった。


みなさんが栃乃若を知っているかは知らないが、高校横綱となって角界入りし、立派な体躯に期待が高かった。
出世には時間がかかり、また関取となってからもなかなか伸び悩むなか、怪我などなかったにもかかわらず突然引退。むしろ怪我などがなかったために、星が伸びない不振の理由が見当たらない恐怖に囚われていたという。
今思っても惜しかったし、その引退がとても悲しい。


力士に限らず、スポーツ選手の引退理由はいろいろある。
先ごろのイチローの引退も、最後の試合で見せた動きには鈍いところなど一つもなかった。
ただ、なぜかヒットが出ない。
たぶん、何かほんの数ミリ程度のズレがあるんだろう。
そういう引退は、やっぱり悲しい。


体操の内村も、先ごろの日本選手権で負けてしまった。
体操は、繊細なスポーツである。筋肉のなにかがずれただけで、絶対王者に狂いが生じる。


みんな、幸せになれますように。などと大雑把なことを祈る。