Nu blog

いつも考えていること

ポイントカードが貯まってく

M-1グランプリの決勝でかまいたちが見せたポイントカードのネタはよかった。

つかみのしつこさからこちらを引き込んで、後半になるにつれボケを畳み掛ける、M-1の集大成みたいなネタだった。チュートリアルブラックマヨネーズを足して二で割らなかった完成度ではなかったろうか。

最終決戦を逃したのは出る順番のせいで、きっと二本目にも良いネタを用意してたに違いない。

 


ネタは「タイムマシーンで戻るならいつに戻るか」という問いに、「ポイントカードを作りそびれた時に戻りたい」と答えることからスタートする。

はじめに作りそびれたもんだから、今作ると、これまでずっと損してしまっていたことになるからもう作れない。

学生時代に好きな女の子に告白しておけばよかった、なんて年に数回しか思わないが、ポイントカード作っておけばよかった、というのはレジに行くたび思ってしまう。どう考えてもポイントカードを作りそびれた日に戻る方が大事だ。

という漫才である。プロというのはすごい。日々の些細な気持ちを、こうやって笑いに膨らませられる。

 


さて、ポイントカードってのは厄介である、という話がしたい。

ポイントカードがどんどん増えていく。けど、ポイントは大して増えない。

カードばかり増えていってもうどのポイントカードがなんのこっちゃかわからない。

実はあの店とこの店は系列店なので同じカードが使えますなどとレジで言われて驚いたりする。財布をひっくり返して二、三分かけて発見し、十円にも満たないポイントをいただく。

で、意味不明にポイントを貯めてしまって、次に使う機会は来ない。

ものの雑誌を読んでいると、最も還元率の高いクレジットカードはどれかとか、それに加えてあのポイントカードとあのアプリを連携させればお得でとか、なんやら会員になっておけば年会費はかかるがすぐに元が取れら上に常に十パーセント引きで買い物できるとか、書いてある。

得する情報を聞いてるだけで得した気分になって、結局何にもしない。

 


得することは悪いことじゃあない。店側も常連になってもらうためポイントカードを作る。理屈はわかる。理屈はわかるが、一人一人に手間がかかっている事実はどうなるんだッ!とおもむろに怒ってみる。

部分最適全体最適というお話なのだろう。どうあがいても店側にとっての部分最適が優先されてしまうので、個人が適切にポイントカードを管理・運用しなくてはならないのである。

不愉快な結論だなあ、と半年に一度くらい財布を見返して、有効期限切れのポイントカードを捨てる。

 


子供の頃、クリーニング屋や近所のスーパーの十円引きの紙切れを集めたことを思い出すが、そのようなやり方はもうあんまり存在しないのだろう。

ふと思ったが、一番ムカつくのは「一ポイント一円として使えます(ただし、百ポイント毎の使用)」というやつ。二百円でようやく一ポイント貯まるのに、百ポイントなんていつになったら貯まるのか。

ポイントは端数を切るのに使わせてほしい。いや、やっぱその場で差し引きしてほしい。ポイントカードめんどくさいよ…。