Nu blog

いつも考えていること

詩「風」

雲ひとつない青空に下半分欠けた月の見える朝大きな犬がてとてとと散歩するのとすれ違った狼のような耳をして従順に飼い主のそばを歩いてた私の前をゆく翁が落ち葉を踏みながら石段を登っていたひとつまたひとつ登る格子柄のジャケット羽のついた帽子翁の尻…

日記

こんなにも書くことがないとは。 サントリー美術館の正倉院展にもBunkamuraのミロ展にも行ったのになあ。TOTOミュージアムのSANAA展も観た。 山下賢二の『ガケ書房の頃 完全版』を読んでじわああっとじーんときたりもしたし、川上未映子の『あこがれ』もよか…

詩一篇「旅」

○旅 僕らは突然旅に出る 西の方へ 新幹線に乗って まじめくさった顔をして 腹の上で手を組み 苦悶した表情で眠る 静岡を超え 名古屋を過ぎて 京都に着いた 風呂に入って 食って寝る 旅先で見る夢 空を飛ぶ夢 祖父母と蟹を食べる夢 見慣れぬ朝 大きな窓 乱れ…

日記

生活が落ち着いたので、不意に旅に出た。お目当ては2月2日に開館したばかりの大阪中之島美術館。開館まで30年を要した、超難産な美術館。いたるところに「財政難」への怨嗟が書き連れられているのが印象的。しかし、何千点もの作品と立派な箱ができたのだか…

短文

お父さんがこの前、聞いてた音楽。 風邪が治った日の、朝。 水を飲んで、お風呂に入る。 まだ十五年しか生きてない私にも、よく分かる、あの感覚。 「お父さん、あの風邪の歌、良いよね」 お父さんは、あれは私の生まれる前、新型コロナウイルスというものが…

日記

一ヶ月勉強して、ちょっとした資格の試験に受かった。試験会場が異様に遠く、もう一回あそこまで行くのは避けたかったから、安堵エンド嬉しい。 無事に引越しした。 50箱の段ボール。 密封、そして開封。疲れた。 二週間くらい段ボールに囲まれて生活した。…

詩一篇「雨の日」

○お告げ 二〇分後に雨が降る 君にそう告げられた 少年は雨雲に取り囲まれている 洗濯も食事もこれからの朝 家で一番汚い部屋の 見せ合いっこしようよ バカにしないって互いに約束 恥ずかしがるのもお互い禁止 雨溜まる我が家で溺死 本棚を抱えて 安らかに眠…

日記

引越しをする。 六年前に引っ越した時もまずは本の整理からだった。 あの時は二百冊くらい売ったんじゃないか。そのあと実家に置いてた絵本や雑誌などを持ってきたから、結局総数は減らなかった。 それから毎年百冊くらい売っている。その上、年々買う冊数は…

詩二篇「朧げ」

○不明 ファミマとセブンとローソンの 違いがわかっていない どこに行けばからあげクンやファミチキが買えるのか いつまで経ってもわからない コーヒーの買い方もわからない 誰に何を頼めばいいのか 見当もついていない タリーズとドトールとサンマルクの 違…

日記

相撲とラグビーを観なあかんので忙しい。 相撲。 主役は御嶽海。審判部、伊勢ヶ濱親方からは全勝優勝で大関という「そら無理やろ」なお題を出されるもの九連勝。負ける気がしない、かちかちに硬い相撲、という具合。玉鷲に勝ったところがすごかった。北勝富…

詩二篇「場所」

○Anywhere 抜け目なく生きる人ほど 損したことを見つけられて 悔しい思いをたくさんする。 ぼんやりと生きていれば 損したことにさえ気づけずに そんなもんかと笑ってられる。 抜け目なく生きる人が 臍を噛んでいたとしても ぼんやりと生きている人も 知らず…

日記

年末年始は地図を見ていた。東京都の地図、マップルの冊子。 県別マップル 東京都 道路地図 (ドライブ 地図 | マップル)昭文社Amazon 昨年の暮れにバタバタあって、転居を考えないといけなくなった。それで、私はおかしなやつなので、物件情報ではなく、東京…

詩「断片」

鮮やかな色 はやかったり おそかったりする線 スイカの絵 自分の舌を 焼いて食べたら 舌がないから 味がわからん おしっこがしたくなって 目が覚めた 放尿の心地よさ 今日も一日が始まる 僕の気持ちの 薄い薄いもの

日記

今年のことをちょっと振り返ってみようと思う。 3月、2年かけて勉強してきた学芸員、司書の資格を無事取得できた。 博物館、美術館、図書館に対して、これまでも好きだいう気持ちはあったが、より一層思いを強くするとともに、社会施設設置の根拠である法律…

詩二篇「電車に関する」

○通勤 乗り換えるために走るあの人も 夜はゆっくり寝たのだろうか 眠れぬ夜を数え 電車に飛び乗る日々だとすれば…… 満員電車で扉付近に身を固めるこの人も 昨夜の満月を眺めただろうか 一日顔を下に向け ブルーライトに照らされる日々だとすれば…… 人間 うま…

日記

11月。区による男女共同参画セミナーに参加し、社会学者で男性学を専門とされている田中俊之先生の講演会を聞いた。 「らしさ」をテーマにした講演会だった。 周囲を見渡した限り、同年齢(30代)や年下と思われる人はほとんど見当たらなかった。zoomでご覧…

詩二篇「あなた」

○あなた 起居を共にし 時に口づけを交わし 性器を重ね合わせる あなたと 寄り添うと 笑った時の肩の揺れを感じる TVを見ている あなたの どんなところで お昼を食べているの? 電話を取った時の メモ帳は裏紙? 玄関の扉開けたら そんな質問忘れてしまうけ…

ブックオフ大学ぶらぶら学部立読み暇潰し学科

考えてみれば、私の人生はブックオフから始まった。 あれは私が中学三年生の頃。祖父母の家近くにブックオフができたのである。時はブックオフ絶頂期、2004年のこと。 新規開店に釣られてそこを訪ねた母親が、「追悼 中島らも」特集のワゴンにまとめられた本…

詩二篇「労働」

○膂力 お世話になっておりますと ためらうことなく 言えるように なった秋の日 その頃の私の おろかさが いまの私を くるしめる おろかであり続けている ここから先は 私の仕事じゃありません と (誰の仕事かわかりません と できないことが増えていく 文字…

最近のこと

柴田聡子の「雑感」はすごい。初めに聞いた時は、くるくると話題の変わる歌詞だなあと感じていたのだが、何度も聞いているとそこに一つのつながりがあるような気がしてくる。実際にそれを言葉にするのは難しいのだが、その一行と次の一行につながりがあるこ…

六甲ミーツアート2021

さて、今年も六甲ミーツアートに行ってきました。開催して間もない9月中旬のこと。台風の過ぎ去ったその日だったからか人が少なく、そして暑かった。 今年で12回目の開催。すごいことだ。こうやって長く続けられたのは、単に運営サイドの努力であって、毎回…

詩『第四十九回衆議院議員総選挙に寄せて』

Ⅰ ひやり 体育館の空気 緑色のマットの上を土足でゆく 選挙券を渡し このような簡易な確認で 私が有権者だとわかったのか 訝しみつつ 私は正当な有権者 と胸を張る 歴史の先端に位置し 投票用紙を受け取る 市民の一人として 柔らかな鉛筆の書き心地を楽しむ …

スケッチ(パニック)

別に誰も気にしてないと思うんですけど、今月から、週二回ではなく、一回の更新にします。 毎日が慌ただしい。いつもトラブっていて、あちこちに電話をかけて、頭を下げてなだめすかして、頼み込んで、拗ねたり脅したりしてる。お祭り騒ぎのような職場で、朝…

九月末のこと

別に誰も気にしてないと思うんですけど、今月から、週二回ではなく、一回の更新にします。 さて、九月の末日の二つの出来事を書きたい。 一つ目は秋分の日に松陰神社前駅に行ったこと。目的は、DE CARNERO CASTEというカステラ屋さんで開かれていたイラスト…

スケッチ(ぬいぐるみ)

別に誰も気にしてないと思うんですけど、今月から、週二回ではなく、一回の更新にします。 風呂上がり、いつものように「こすらず落とす!バスマジックリン」を手に取って、浴槽にかけたときだった。僕は今日Nが僕をバカにしたような目で見てきたことや資料…

相撲

国技館で大相撲秋場所初日を観覧した。昨年の九月場所以来の国技館。 昨年九月は、観客数の上限2500人としており、マス席は四人ではなく一人で使用することとされていた。かなり神妙な雰囲気で、歓声のない静かな場所だったことを覚えている。神聖な雰囲気が…

スケッチ(愛校心)

隣の部署にいる後輩が同じ大学だと知ったが、こんなご時世で飲みにも行けない。一緒に校歌でも歌いたいと思ったが、聞いたら校歌を覚えてないらしい。どうも母校愛に差があるようだ。 でも大学時代の友人は後輩の方が多いみたいで、今でも学祭に訪れたりする…

人新世

田上孝一『99%のためのマルクス入門』と斎藤幸平『「人新世」の資本論』を読んで、マルクス漬けである。 どちらも同じようなことを言っている。環境変化によって地球が終わりかけている。資本主義を保ったままでどうにかできるわけないのだから、社会主義を…

スケッチ(ある博物館にて)

北海道、札幌から電車に乗って一時間四十分。人気のない駅前、ゆったりと作られた道路をなんどか右左に曲がり、大きな道路沿いを行くと、夏の晴れた日のような薄い青色の建物。円柱形のてっぺんにはとんがり屋根。定規で書いたような窓が二階の位置を示して…

三田三郎『鬼と踊る』感想

私たちはたくさんのことを見落としている。毎朝の通勤路、いつもすれ違う犬とその飼い主、同じ電車に乗った人たち、職場の窓の向こうに見える謎の鉄塔。汚れていくカーテン、へたれてゆく布団、少し傾いている本棚、テレビ台の裏に溜まる埃。ちょっとずつ疲…