ビルの隙間からくぐもった冬の空気のにおいがした。それは決していい匂いではなく、きっと暖房器具の排気が充満したもの。 それは私には懐かしいにおいだった。 小学校六年生の時、塾通いをしていた私の嗅いだにおいだ。 塾までの道のりは少し遠かった。最寄…
引用をストックしました
引用するにはまずログインしてください
引用をストックできませんでした。再度お試しください
限定公開記事のため引用できません。