Nu blog

いつも考えていること

スケッチ(不思議)

昨年、家の周りの木を全て切り倒したら、鳥の居場所がなくなったらしく、ベランダにたむろして、フンなどを落とすようになった。

鳥のフンを片付けるのにも慣れた頃、散歩をしていると、ところどころ鳥の羽が落ちているのに気がついた。大きくて立派な羽だった。

拾う気になれず、歩を進めると、また先にも同じ羽が落ちていた。

これはまずいぞと思った。誘われては困る。

それで無視して先を進んだら、次は国語辞典が落ちていた。国語辞典なんか、小学生の頃に一度触ったきりじゃないだろうか、と思った。僕が高校生になってからはもう、電子辞書が普通だったから。でも紙の辞書は好きだ。あの薄くて繊細な紙を、するりするりとめくっていくのは快感だ。

国語辞書を跨いだら、家に返されてしまった。そういう仕組みだったのか、と思ったが、もう遅い。

ベランダから国語辞書の落ちていたあたりを眺めていたら、頭にフンを落とされた。

部屋に戻ると、机の上に大きな羽が乗っていた。

ゴミ箱に捨てた。