Nu blog

いつも考えていること

スケッチ(会社のトイレ)

会社のトイレの仕様が変わって、数分間身動きしないと自動で電気が消え、さらに数分動きがなければ反対にランプが赤く点灯する仕組みになった。

総務の人間はそれを、個室内で倒れている人を発見するための仕組みだとかなんだとか説明していたが、簡単な話、私のようなトイレ籠り組を追い出そうという魂胆なのだ。

嫌なことがある。仕事のことだ。あれをしなきゃならないこれをしなきゃならない、と急かされる瞬間瞬間、嫌だ嫌だと思い続けている。

なのでトイレに行く。個室に入って、気持ちを落ち着かせる。トイレから戻ると、しょうがないので仕事をする。

喫煙室に同じ仕組みがあればいいのに、それはないのをおかしいと思う。喫煙者はランプ点灯のプレッシャーに怯えず、休憩しているのだ。しかし、喫煙者は喫煙所で人々とコミュニケーションを取ると聞く。それならなんの休憩にもなってないよな、と私は思う。

トイレにこもる。しばらくして電気が消える。私はさっと右腕を上げる。電気がつく。これを三回繰り返したら戻ることとする。私は右腕を上げる。まるで正解がわかった生徒のように。あるいは上官の問いかけに答える下士官のように。