Nu blog

いつも考えていること

2019年に聴いた音楽

2019年振り返り企画その一。

まずは音楽。

 

パッと思い出すのは、ミツメの「Ghosts」から「エスパー」や「セダン」「なめらかな日々」といった上質な楽曲たち。美しい音と優しげで不穏な歌詞。伸びやかなムードと倦怠感、屈託のない笑顔とつまらない日々。そんな相反するものをない交ぜにした日々の感情を、何を語るでもなく何を示すでもなく、そっと差し出して一つの曲にまとめ、置いておいてくれた。

柴田聡子の「がんばれ! メロディー」及び「SATOKO SHIBATA TOUR -2019 “GANBARE MELODY” FINAL at LIQUIDROOM」。後者は前者リリースツアーのライブアルバムである。「涙」や「心の中の猫」「ラッキカラー」など、寄り添いそうで寄り添わない、心地よいようでそっけない、そんなかわいらしくもあり憎たらしくもある楽曲たち。あふれるユーモアとほんのちょっぴりの共感を伴った歌詞を、何度も口ずさんだ。ライブでの荒ぶる柴田聡子も素晴らしかった。「ラミ子とシバッチャンの仲良しソング」も必聴。

momは「Detox」をリリース。しかし今年も前年リリースした「PLAYGROUND」をよく聴いてしまった。これからもたくさんの渋く、かわいらしい音楽を作ってくれるだろう。ライブで見たキュートな笑顔をもう一度見に行きたいと思う。

Never young beachの「STORY」も今年のリリースだった。「春を待って」や「うつらない」のような、これまでとは少し異なるアプローチを見せつつライブでは過去の明るく元気な楽曲で飛び跳ねていたのが印象的。配信で見たフジロックのライブは、全てのミュージシャンの中でも今年一番素晴らしいパフォーマンスと言ってしまっていいのではないだろうか。

カネコアヤノの「燦々」もあった。「光の方へ」「ぼくら花束みたいに寄り添って」等々、魅力満載である。彼女にはブレイクしてほしいと思うのですが、どうも知る人ぞ知る感が抜けきらないのは、それもまた今の所の魅力でしょうが、きっとすぐに知れ渡る。コンビニに入ったら「光の方へ」が鳴っていて、初めて聴いたわけでもないのに、立ち止まって聴き入ってしまった。

chelmicoの「Fishing」もいいアルバムだった。リップスライム直系とでも言えようか。明るく、ヘラヘラしたラップにこだわりのビート。「爽健美茶のラップ」をただのタイアップと侮るなかれ。

そういえば真部脩一率いる集団行動の「SUPER MUSIC」も今年だった。よく聴いた。

キリンジサカナクションスピッツもアルバムを出していた。「killer tune kills me」、「忘れられないの」、「優しいあの子」、すべてクオリティの高い傑作である。特にキラーチューンキルズミーの韓国語ラップは超クール。

さらに、ナンバーガール再結成。ナンバガの再結成を見られてとても嬉しい。これについてはたくさん書いたので、その程度にとどめておく。

小沢健二の十数年ぶりのアルバムも欠かせない。自らを更新し、聴き手の人生も日本という社会、世界を更新させるような、そんなアルバムである。キラキラと輝き、人間の業を肯定する。そんな現在の小沢健二を、自分のこととして喜ばしく思えた。

 

十年ぶりにやくしまるえつこd.v.d『Blu-Day』を聴いた。トキオが出てる番組のBGMに「ALPS」が使われていたから。そのうちの一曲「ファイナルダーリン」の最後、「ちびっこナス」というよくわからん歌詞があったのだが、「Cu vi konas min?」と歌っていることをいまさら知った。「あなたは私を知っているのか?」というエスペラント語だという。

十年越しの問いかけに、ドギマギしてしまった。